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GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1のAPI料金比較:キャッシュと長文で総額はどう変わる?

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16 min readAIモデル比較

短い入力では通常料金がほぼ並ぶ一方、キャッシュ読み取りと272K超の入力で差が開きます。単価表を実際のトークン構成へ当てはめ、1タスクの費用を計算します。

GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1のAPI料金を、キャッシュ、長文入力、Batchまで整理した比較ガイド

結論から言うと、標準処理で入力が272,000トークン以下、キャッシュを使わないなら、GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1の通常入力・出力単価は同じです。いずれも100万トークンあたり入力10ドル、出力50ドルなので、100K入力・20K出力の1回は概算2ドルになります。

差が出るのは、同じ長い前置きを繰り返し読む処理と、272,000トークンを超える入力です。Fable 5.1のキャッシュ読み取りは0.25ドルで、Astraの1ドルより安価です。またAstraは入力が272Kを超えると、超過分だけではなくリクエスト全体が長文料金へ切り替わります。Fable 5.1は1Mトークンのコンテキスト内で標準単価を維持します。

ただし、これだけで「Fable 5.1のほうが常に安い」とは言えません。キャッシュ書き込みの保持時間、出力トークン、非表示の推論トークン、ツール、再試行、処理方式、データ処理地域まで含めると、1タスクの請求額は変わります。本稿では、2026年9月5日時点で各社が直接提供するAPIの公開価格と、前提を固定した試算を分けて整理します。

まずAPIを実際に利用できるか確認する

GPT-6 Astraは2026年9月3日に発表され、正式なAPIモデルIDは gpt-6-astra です。OpenAIの変更履歴モデルページには価格と対応APIが掲載されていますが、提供は段階的です。公開ページが見えることと、自分の組織やプロジェクトから今すぐ呼び出せることは同じではありません。見積もりを採用する前に、対象プロジェクトの権限か実際のAPI応答で確認してください。

Claude Fable 5.1は2026年9月1日に公開され、Claude APIのモデルIDは claude-fable-5-1 です。AnthropicのモデルページではActiveモデルとして案内され、Claude APIのほか複数の提携クラウドも挙げられています。ただし、本稿の単価はOpenAIとAnthropicがそれぞれ直接提供するAPIに基づきます。Amazon Bedrock、Google Cloud、Microsoft Foundryなどを経由する場合は、地域と契約を含めて、その提供元の請求画面で見積もり直す必要があります。

標準料金を4種類のトークンに分ける

以下は100万トークンあたりの米ドル建て公開価格です。Astraは標準処理、Fable 5.1はClaude APIの標準推論を比較しています。

課金対象GPT-6 Astra:入力272K以下GPT-6 Astra:入力272K超Claude Fable 5.1
通常入力$10$20$10
キャッシュ読み取り$1$2$0.25
キャッシュ書き込み$12.50$255分 $12.50 / 1時間 $20
出力$50$75$50

出典はOpenAIのAPI料金表GPT-6 AstraモデルページAnthropicの料金ページです。

表の読み方で重要なのは、入力トークンを一つの数字として扱わないことです。同じリクエストでも、初めて送る部分、以前書き込んだキャッシュから読めた部分、新たにキャッシュへ書き込む部分は単価が異なります。Fable 5.1では、キャッシュ書き込みを5分保持するか1時間保持するかも分けて記録します。

Astraの272K境界も、月間合計ではなく各リクエストの入力トークンで判定します。たとえば300K入力・60K出力なら、最初の272Kだけを10ドルで計算するのではありません。300K入力すべてを20ドル、60K出力すべてを75ドルの単価で計算します。

自分の処理に当てはめる計算式

Responsesでは、input_tokensからinput_tokens_details.cached_tokensinput_tokens_details.cache_write_tokensを引いて通常入力を求めます。Claude Messagesinput_tokensはキャッシュ読み書きを含まないため、同じ引き算は不要です。

各トークン数を100万単位に直し、それぞれの単価を掛けて足します。標準処理の概算式は次のとおりです。

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Astra(入力272K以下) = 通常入力 × $10 + キャッシュ読み取り × $1 + キャッシュ書き込み × $12.50 + 出力 × $50 Astra(入力272K超) = 通常入力 × $20 + キャッシュ読み取り × $2 + キャッシュ書き込み × $25 + 出力 × $75 Fable 5.1 = 通常入力 × $10 + キャッシュ読み取り × $0.25 + 5分キャッシュ書き込み × $12.50 + 1時間キャッシュ書き込み × $20 + 出力 × $50

たとえば、キャッシュなしで100K入力・20K出力なら、両モデルとも 0.1 × $10 + 0.02 × $50 = $2.00 です。一方、300K入力・60K出力では、Astraは長文料金となり 0.3 × $20 + 0.06 × $75 = $10.50、Fable 5.1は 0.3 × $10 + 0.06 × $50 = $6.00 です。

この差は、Fable 5.1の品質が高い、あるいは同じタスクを少ないトークンで終えられるという意味ではありません。同じ完了条件を満たすまでに、各モデルが実際に使ったトークン、ツール、再試行を記録して初めて、タスク単位の比較になります。

GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1の単価をトークン構成へ当てはめ、1タスクの費用を計算する早見表
GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1の単価をトークン構成へ当てはめ、1タスクの費用を計算する早見表

キャッシュは読み取り単価だけで判断しない

Astraでは、キャッシュ可能な前置きは少なくとも1,024トークン必要です。OpenAIのプロンプトキャッシュ解説によると、対応するAstraのキャッシュ保持時間は prompt_cache_options.ttl30m です。安定した指示やツール定義を前方へまとめ、期限内に同じ接頭辞が再利用されたときに読み取り料金が効きます。単価表だけでは、実際に何トークンがヒットするかは分かりません。

簡略化した例として、100Kの共通前置きを10回使い、各回10Kを出力するとします。最初の1回をキャッシュ書き込み、残り9回をすべてキャッシュ読み取りとし、ほかの入力とツール料金はないものとします。

内訳GPT-6 AstraFable 5.1:5分書き込みFable 5.1:1時間書き込み
100Kの書き込み$1.25$1.25$2.00
900Kの読み取り$0.90$0.225$0.225
合計100Kの出力$5.00$5.00$5.00
合計$7.15$6.475$7.225

この例では、短い保持時間で十分ならFable 5.1が安く、1時間の書き込みを選ぶとAstraをわずかに上回ります。したがって、キャッシュの比較では「読み取りが安いか」だけでなく、何回再利用できるか、どの保持時間が必要か、書き込み後に期限内でヒットしたかを確認します。

272Kをまたぐなら、リクエストを分ける効果も測る

Astraで長い入力を使う場合、272Kの直前と直後では、追加された数千トークン以上に総額が変わる可能性があります。前述の300K入力・60K出力では10.50ドルですが、同じ単価構成のまま入力が272K以下なら、Astraは短文料金です。履歴、ログ、検索結果、ツール定義を無条件で積み上げる設計は、不要な入力費だけでなく、リクエスト全体の料金帯も変えます。

ただし、料金境界を避けるために機械的に分割すればよいわけではありません。分割によって要約や再取得が増え、出力や再試行が増えることもあります。比較するときは、元の1回と分割後の全リクエストで同じ結果を満たし、usage に記録された合計トークンを比べます。Fable 5.1は1Mトークンのコンテキスト内で標準単価を維持しますが、投入量が増えれば支払額も比例して増えます。

Batch APIは半額でも、待ち時間を含む選択肢

即時応答が不要な評価、分類、変換などを非同期で処理できるなら、両社のBatch APIは入力・出力料金が50%割引になります。

Batchの公開単価GPT-6 Astra:入力272K以下GPT-6 Astra:入力272K超Claude Fable 5.1
通常入力 / 1M tokens$5$10$5
出力 / 1M tokens$25$37.50$25

AstraではFlex処理も標準料金の50%ですが、BatchとFlexは待ち方や適用条件が異なります。Fable 5.1ではプロンプトキャッシュとBatchを組み合わせられますが、キャッシュの命中、書き込み保持時間、データ処理地域による調整を個別に反映します。半額という数字だけをリアルタイムAPIの見積もりへ流用しないでください。

キャッシュなしの100K入力・20K出力なら、Batchでは両モデルとも概算1ドルです。300K入力・60K出力では、Astraは長文Batch料金で5.25ドル、Fable 5.1は3ドルになります。これは処理をBatchへ移せる場合の例であり、同期応答が必要なチャットや対話型エージェントにはそのまま適用できません。

単価表から漏れやすい費用

トークン単価を正しく掛けても、次の項目を除外すると請求額と合いません。

  • 推論・思考トークン:Astraの非表示のreasoning tokensはコンテキストを消費し、出力トークンとして課金されます。画面に見えた回答の文字数だけでは足りません。
  • ツール利用:ツール定義や結果は入力に含まれます。OpenAIの内蔵ツール、Anthropicのサーバー側ツールには、モデルのトークン料金とは別の従量料金が発生する場合があります。
  • 処理方式:OpenAIのFast modeは対象料金の2倍です。公開条件に該当する地域処理では10%の加算もあります。
  • データ処理地域:Claude 4.6以降で inference_geo: "us" を指定すると、入力、出力、キャッシュ書き込み、キャッシュ読み取りが1.1倍になります。既定の global とは分けて計算します。
  • トークン化の違い:Fable 5.1は新しいトークナイザーを使います。AnthropicはSonnet 4.6以前との比較で同じ文章が約30%増える場合があると説明していますが、内容により変わり、GPTのトークン数への換算率ではありません。各APIの usage またはトークン計数機能を使います。
  • 再試行と失敗:タイムアウト後の再送、ツール失敗、回答の作り直しも呼び出しごとに積み上がります。1回の理想的なリクエストだけでは運用費を表しません。
  • 契約と決済:企業割引、最低利用額、税、為替、クラウド市場の上乗せは公開単価に含まれません。日本円の予算は、実際の決済レートと税区分を加えて管理します。

なお、Fable 5.1では tool_choiceanytool がサポートされず、指定すると400になります。移行時にこの差を見落とすと、失敗した呼び出しや修正作業まで含めた費用が増えます。対応状況はAnthropicのリリースノート、ツール料金はAnthropicの料金ページで確認できます。

標準料金、272K境界、キャッシュ、Batch、追加費用を確認してモデル費用を比較する手順
標準料金、272K境界、キャッシュ、Batch、追加費用を確認してモデル費用を比較する手順

最安モデルではなく、同じ完了条件の費用を比べる

比較用のログでは、少なくとも次の値をモデルごとに保存します。

  1. 通常入力、キャッシュ読み取り、キャッシュ書き込み、出力の各トークン数
  2. Astraの各リクエストが272Kを超えたか
  3. Standard、Fast、Flex、Batchのどれを使ったか
  4. Fable 5.1のキャッシュ保持時間と inference_geo
  5. 推論・思考トークン、ツール定義、サーバー側ツール、再試行の利用量
  6. 同じ完了条件に達するまでの全リクエスト数
  7. 契約割引、クラウド市場、税、為替を反映した最終請求額

計算する順番は、各リクエストのモデル料金 + ツール料金 + 再試行 を合計し、それを同じ完了条件を満たしたタスク数で割る、です。ベンチマークの順位や100万トークン単価だけから、1件あたりの費用を推定しないでください。

短い入力でキャッシュを使わない処理なら、AstraとFable 5.1は同じ入力・出力単価から比較を始められます。安定した長い前置きを何度も読むならFable 5.1の0.25ドルの読み取り単価が効きやすく、272Kを超える入力ではAstraのリクエスト全体への長文料金が重要です。一方、Fable 5.1で1時間キャッシュ書き込みやUS処理地域を選ぶ場合、AstraでFastや地域処理を使う場合は、標準表だけの順位が変わり得ます。

公開価格は更新されます。導入を決める直前に、OpenAIの料金表Anthropicの料金表を再確認し、小さな同一タスクで実際の usage と請求記録を照合してください。それが、二つのモデルの費用を自社の数字に変える最短の方法です。