Googleは2026年9月2日、Gemini 3.8 Flashを一般提供(GA)しました。Gemini Developer APIの正確なモデルIDは gemini-3.8-flash です。Googleは、長い工程にわたるソフトウェア開発、自律エージェント、複雑な企業業務向けのFlashモデルと説明しています。公式のリリースノート
2026年10月8日からは、gemini-3.7-flash へのリクエストもすべて3.8 Flashへ自動転送されています(リリースノート)。3.7 Flashを使っていたシステムはすでに3.8 Flashで動いているので、モデルIDを gemini-3.8-flash に書き換え、応答と費用を3.8 Flashとして確認してください。3.8のStandard料金は2027年1月1日から倍になるため、業務での成功率、応答時間、トークン使用量、採用できた結果1件当たりの費用で判断します。適用期間ごとの公式料金
公式仕様
公式モデルページの内容は次のとおりです。
| 項目 | Gemini 3.8 Flash |
|---|---|
| モデルID | gemini-3.8-flash |
| 提供状態 | 安定版・一般提供 |
| 入力 | テキスト、画像、動画、音声、PDF |
| 出力 | テキスト |
| 入力上限 | 1,048,576トークン |
| 出力上限 | 65,536トークン |
| 推論レベル | low、medium、high |
| 利用方式 | Standard、Batch、Flex、Priority |
画像、動画、音声を理解できますが、画像や音声を生成するモデルではありません。Live APIにも対応しません。メディア出力やリアルタイム音声には専用モデルが必要です。
対応ツールと非対応機能
コンテキストのキャッシュ、コード実行、ファイル検索、関数呼び出し、構造化出力、Google検索・マップを使った回答の根拠付け、URLの参照に対応します。コンピューター操作はプレビュー提供です。
実装で重要な制限は3点です。
- 推論レベルに
minimalを指定するとエラーになり、low、medium、highのみ対応します。 - 画像生成と音声生成には対応しません。
- Live APIは非対応です。

検索による根拠付けやキャッシュの保存には別の料金条件があり、利用方式によっても単価が変わります。対応機能の一覧だけで総費用を決めないでください。
料金
Google公式料金は100万トークン当たりの米ドルで、出力料金には推論トークンが含まれます。
| 方式 | 2026年末までの入力 | 2026年末までの出力 | 2027年以降の入力 | 2027年以降の出力 |
|---|---|---|---|---|
| Standard | $0.75 | $3.75 | $1.50 | $7.50 |
| Batch | $0.375 | $1.875 | $0.75 | $3.75 |
| Flex | $0.375 | $1.875 | $0.75 | $3.75 |
| Priority | $1.35 | $6.75 | $2.70 | $13.50 |
StandardとPriorityには無料枠が表示され、BatchとFlexにはありません。費用を比べるときは、入力、推論を含む出力、ツール、検索、キャッシュの保存、再試行で発生した料金を合計し、採用できた結果の件数で割ります。再試行分がすでに入力・出力料金に含まれている場合は、重ねて足しません。
最初のAPI呼び出し
公式テキスト生成ガイドに沿ったInteractions APIの実装例です。PythonではGoogle GenAI SDKをインストールし、使用するプロジェクトのAPIキーを環境変数GEMINI_API_KEYに設定してから実行します。APIへの実行検証を示す例ではありません。
from google import genai
client = genai.Client()
interaction = client.interactions.create(
model="gemini-3.8-flash",
input="本番更新の計画は、DBに列を追加し、新版を5%の通信に適用してエラー率を確認し、その後全体へ展開する手順です。失敗条件と切り戻し前に確認すべき点を挙げてください。",
)
print(interaction.output_text)RESTでは次のように呼び出します。
curl -X POST "https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/interactions" \
-H "x-goog-api-key: $GEMINI_API_KEY" \
-H "Content-Type: application/json" \
-d '{"model":"gemini-3.8-flash","input":"本番更新の計画は、DBに列を追加し、新版を5%の通信に適用してエラー率を確認し、その後全体へ展開する手順です。失敗条件と切り戻し前に確認すべき点を挙げてください。"}'比較する場合は、推論レベルのthinking_level、利用ツール、タイムアウトをそろえます。output_textはSDKでテキストを取得する便利なプロパティです。推論やツールの実行結果も扱う処理では、応答全体のステップを確認してください。

3.7 Flashから移行すべきか
移行するかどうかを選ぶ段階は終わっています。Googleは2026年10月8日に gemini-3.7-flash を非推奨とし、3.7 Flashへのリクエストをすべて gemini-3.8-flash へ自動転送するようになりました(リリースノート)。廃止予定のページでも、3.7 Flashの推奨移行先は3.8 Flashで、停止日は未発表です。料金ページからも3.7 Flashの行はなくなりました。
そのため、3.7 Flashを指定しているコードで今やるべきことは次の3つです。
- モデルIDを
gemini-3.8-flashに書き換える。旧IDのままでも応答は返りますが、実際に動いているモデルとコード上の表記が食い違います。 - 3.7 Flashで作った評価結果を、3.8 Flashの結果として測り直す。通常の入力、長文、構造化出力、ツールの失敗、拒否、複数ターンを含む同じ課題で、初回の成功率、ツール呼び出しの正確さ、応答時間の中央値と95パーセンタイル、トークン使用量、再試行、手直し、採用結果1件当たりの費用を記録します。
- 切り戻し先を見直す。
gemini-3.7-flashに戻しても3.8 Flashが応答するので、ロールバックにはなりません。問題が出たときに戻せる別モデルは、提供が続いているgemini-3.6-flashです。
転送されたリクエストにどの単価が適用されるかは、Googleの公開ドキュメントに記載がありません。応答する3.8 Flashの単価で課金される可能性が高いと考えられますが推測なので、Cloud BillingのレポートをSKU別に表示して確認してください。
Flash-LiteやProを含む広い選択は、別記事のGeminiテキストモデルガイドで扱います。
結論
gemini-3.8-flash は現在呼び出せる安定版で、3.7 Flashへのリクエストの転送先でもあります。長い工程にわたるソフトウェア開発、自律エージェント、複数のツールを使う処理、大量の文脈を扱う用途で評価する価値があります。2027年の料金変更を予算に入れ、実測で改善した処理から段階的に移行してください。



