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2026年のGeminiテキストモデル比較:Flash・Flash-Lite・Proの選び方

新規開発は正式版のGemini 3.8 Flashを基準にします。3.7 Flashは10月8日から3.8 Flashへ自動転送されています。検証できる大量処理はFlash-Lite、Pro Previewは難しい処理で差が出る場合だけです。

•••18 分で読めます•APIガイド
2026年8月25日時点のGeminiテキストモデル比較表。3.7 Flashを新規実装の基準、3.5 Flashをlegacy、2.5系の最短停止日を2026年10月16日として掲載している(現在は3.7・3.5 Flashが3.8・3.6 Flashへ転送され、2.5系の停止日は未発表)

2026年10月10日時点で、新しいGemini Developer API実装の基準にしやすいのは gemini-3.8-flash です。8月までは gemini-3.7-flash が最新の正式版Flashでしたが、Googleは2026年10月8日に3.7 Flashを非推奨とし、gemini-3.7-flash へのリクエストはすべて gemini-3.8-flash へ自動転送されるようになりました。同じ日に gemini-3.5-flash も非推奨となり、こちらは gemini-3.6-flash へ転送されています(Gemini APIのリリースノート)。コードに3.7 Flashや3.5 FlashのモデルIDが残っている場合は、3.8 Flashか3.6 Flashへ書き換えてください。

分類、抽出、翻訳のように正解を機械的に確認できる大量処理なら、まず gemini-3.5-flash-lite を試すと費用を抑えやすくなります。Googleも新規プロジェクトには3.5 Flash-Liteか3.8 Flashを使うよう案内しています(廃止予定のページ)。なお「3.7 Flash-Lite」というモデルはなく、Flash-Liteの最新正式版は3.5 Flash-Liteです。

一方、gemini-3.1-pro-preview は名前だけで既定モデルにするべきではありません。プレビュー版は仕様や挙動が変わる可能性があり、正式版とは運用リスクが異なります。自社の難しいタスクで3.8 Flashより明確に良い結果が出たときに、限定的に使うのが安全です。

ここで扱うのは、テキスト、画像、動画、音声、PDFを入力し、テキストを返す汎用モデルです。画像生成、Live API、音声合成、Embedding、Geminiアプリの料金プランは別の製品面なので、この比較には含めません。

まず決めるモデル

実装したい処理最初に評価するモデル採用前に確認すること
新規サービス、コード、複数ツールの連携gemini-3.8-flash品質、P95レイテンシ、tool call成功率
gemini-3.7-flash を指定している処理gemini-3.8-flash へIDを書き換える10月8日から既に3.8 Flashが応答している。応答の変化と請求を確認
gemini-3.5-flash を指定している処理gemini-3.6-flash(または3.8 Flash)へ書き換える10月8日から既に3.6 Flashが応答している。品質要件を3.6 Flashで測り直す
3.6で安定稼働している処理gemini-3.6-flash を維持し、3.8を並行評価急な全面移行ではなくロールバックを残す
抽出、分類、翻訳、ルーティングgemini-3.5-flash-liteJSON Schemaや必須項目で結果を検証できるか
3.1 Liteの低コスト処理gemini-3.1-flash-lite停止は最短2027年5月7日。後継の3.5 Flash-Liteも準備する
複雑な推論、難しいコード、custom tools3.8 Flashとgemini-3.1-pro-previewPreviewの差がコストと変更リスクを上回るか
2.5系を使う本番環境新規プロジェクトは3.xで始める8月に掲載されていた最短停止日(2026年10月16日)は現在の表になく、停止日は未発表。ただし2.5系は過去の利用者だけに提供が制限されている

1つのモデルに全リクエストを固定する必要はありません。構造化出力を検証できる定型処理はFlash-Liteへ送り、失敗、曖昧な入力、複数段階の処理だけを3.8 Flashへフォールバックする構成も有効です。

切り戻し先にも注意が必要です。gemini-3.7-flash を指定しても3.8 Flashが応答するため、3.7 FlashのIDへ戻しても3.8 Flashからのロールバックにはなりません。3.8 Flashで問題が出たときの切り戻し先は、別モデルとして提供が続いている3.6 Flashです。

転送されたリクエストにどの単価が適用されるかは、Googleの公開ドキュメントには書かれていません。実際に応答するモデル(3.8 Flashか3.6 Flash)の単価で課金される可能性が高いと考えられますが、これは推測です。旧IDのまま使っている場合は、Cloud BillingのレポートをSKU別に表示して請求を確かめてください。

検証可能性と処理の複雑さでGeminiモデルを振り分ける判断フロー。図では複数段階やtool useの処理を3.7 Flashへ送っているが、3.7 Flashは2026年10月8日から3.8 Flashへ転送されている

現行モデルの違い

Googleの廃止予定のページによると、2026年10月10日時点で提供中の正式版テキストモデルは3.8 Flash、3.6 Flash、3.5 Flash-Lite、3.1 Flash-Liteです。3.7 Flash(2026年8月13日公開)と3.5 Flash(2026年5月19日公開)は非推奨で、停止日は未発表ですが、リクエストはそれぞれ3.8 Flashと3.6 Flashへ転送されます。3.1 Proと3 FlashはPreviewです。

Gemini 3.8 Flash:新規実装の基準(3.7 Flashの転送先)

3.8 Flashの仕様は、入力上限1,048,576トークン、出力上限65,536トークンです。コンテキストキャッシュ、コード実行、ファイル検索、function calling、構造化出力、Google検索・マップによるGrounding、URL Contextをサポートします。2026年9月2日に一般提供されました。

3.7 Flashも同じ入出力上限の正式版で、8月時点ではこの位置にありました。10月8日からは gemini-3.7-flash を指定しても3.8 Flashが応答するため、3.7 Flashで作った評価結果はそのまま使わず、3.8 Flashとして測り直してください。モデル固有の詳細はGemini 3.8 Flash APIガイドにまとめています。

Googleは3.8 Flashを、長い工程にわたるソフトウェア開発、自律エージェント、複雑な企業業務向けのFlashと説明していますが、これは提供者による位置付けです。採用判断では、自社の入力を使って初回成功率、ツール呼び出しの正確さ、P95レイテンシ、採用できた回答1件当たりの総トークンを測ります。

3.6 Flashと3.5 Flash:3.5 Flashは3.6 Flashへ転送

gemini-3.6-flash は、料金ページで前世代のFlashとされている正式版です。2026年末までは3.8 Flashと同じ$0.75 / $3.75で、既存システムの安定した予備候補になり、3.8 Flashで問題が出たときの切り戻し先にもなります。

gemini-3.5-flash も同じ入力・出力上限を持つ正式版で、標準料金は$1.50 / $9.00と、3.6や3.7より高く設定されていました。2026年10月8日に非推奨となり、リクエストは3.6 Flashへ自動転送されています。料金ページからも3.5 Flashの行はなくなりました。Googleは更新先として3.6 Flash(または3.8 Flash)を挙げているので、3.5 Flashで品質要件を満たしていた処理は、すでに3.6 Flashで動いている前提で評価し直し、モデルIDも書き換えます。

Flash-Lite:検証できる大量処理向け

「Gemini 3.7 Flash-Lite」というモデルはありません。3.7世代で公開されたのはFlashだけで、2026年10月10日時点でテキスト生成に使えるFlash-Liteは、3.5 Flash-Lite(正式版)と3.1 Flash-Lite(停止は最短2027年5月7日)です。3.7 Flashの軽量版を探している場合は、gemini-3.5-flash-lite から評価してください。名前の近い gemini-3.8-flash-lite-tts は音声合成用のモデルで、テキスト生成の代わりにはなりません。

3.5 Flash-Liteは、低レイテンシ、高スループット、文書解析、単純な抽出、エージェントの補助処理を想定した正式版です。コンテキスト上限がFlashと同じでも、推論品質や失敗率まで同じという意味ではありません。

固定したラベル、必須フィールド、JSON Schemaなどで合否を判定できる処理に向きます。安価でも、再試行が増えたり誤ったツールを呼んだりすれば、採用できる結果1件当たりの費用は高くなります。

gemini-3.1-flash-lite は現在の公表単価がさらに低い一方、世代は古く、廃止予定表では最短2027年5月7日の停止と、後継の3.5 Flash-Liteが案内されています。長期間運用する新規システムでは、安い単価だけで固定しない方がよいでしょう。

3.1 Pro Preview:3.7 Flash(3.8 Flash)や3.6 Flashとの違い

3.1 Pro Previewは、複雑な処理、software engineering、精密なツール利用を想定し、custom tools用の別IDもあります。ただしPreviewである以上、契約、上限、挙動の変更に備える必要があります。

3.7 Flashと3.1 Proを比べていた場合、3.7 Flash側は10月8日から3.8 Flashで応答しているので、比較し直す相手は3.8 Flashです。Flashとの主な違いは次のとおりです。

  • 提供状態:3.8 Flashと3.6 Flashは正式版、3.1 ProはPreview
  • 料金:3.1 Pro Previewは入力$2.00・出力$12.00(20万トークン以下)で、3.8・3.6 Flashの$0.75 / $3.75に対し、出力単価は2026年末まで3.2倍、2027年1月の値上げ後も1.6倍
  • 無料枠:3.8・3.6 Flashにはあり、3.1 Pro Previewにはなし
  • thinking:3.1 Pro Previewの既定値はhigh。3.8 Flashはlow、medium、highから選ぶ

1件あたり入力1,500・出力500トークンを月1万件処理すると、3.8 Flashと3.6 Flashは10,000 ×(1,500 × $0.75 + 500 × $3.75)÷ 100万 = $30(2027年1月からは$60)、3.1 Pro Previewは同じ式で$90です。3.8 Flashで失敗すると事業上の損失が大きいタスクだけを抽出し、同じ評価セットで比較してください。

標準API料金を比べる

公式料金表の標準有料推論を、100万トークン当たりの米ドルで整理すると次のとおりです(2026年10月10日時点)。出力料金にはthinking tokensが含まれます。Batch、Flex、Priorityは別料金です。

モデル入力thinkingを含む出力状態・条件
3.8 Flash$0.75$3.75GA。2026年12月31日までの価格、2027年1月1日から$1.50 / $7.50
3.6 Flash$0.75$3.75GA。同じ期限で同じ値上げ
3.7 Flash——2026年10月8日に非推奨。3.8 Flashへ自動転送され、料金表に行なし
3.5 Flash——2026年10月8日に非推奨。3.6 Flashへ自動転送され、料金表に行なし(以前は$1.50 / $9.00)
3.5 Flash-Lite$0.30$2.50GA
3.1 Flash-Lite$0.25$1.50GA。テキスト・画像・動画入力の単価。停止は最短2027年5月7日
3.1 Pro Preview$2.00 / $4.00$12.00 / $18.00promptが20万トークン以下 / 超で段階制

3.7 Flashと3.5 Flashの扱いは、リリースノートの2026年10月8日の項目によります。旧IDに対する課金単価は公開されていないため、前の章のとおり請求レポートで確認してください。

入力単価だけで判断せず、入力 + thinkingを含む出力 + ツール + 再試行 + キャッシュ を合計します。同じ評価表に成功率、P95、トークン数、再試行回数を記録すると、安いモデルが本当に安いか判断できます。

無料枠の対象、上限、地域はモデルやプロジェクトによって異なります。料金ページでは、free tierで送信した内容はGoogle製品の改善に利用される場合があり、paid tierの内容はその目的に使わないと説明されています。機密データを扱う場合は単価だけでなく、この条件も確認してください。

Thinking levelを固定して比べる

3.8 Flashのthinking levelはlow、medium、highで、minimalを指定するとエラーになります(3.8 Flashのモデルページ)。Thinkingの仕様では、3.6 Flashと3.5 Flash-Liteはminimalにも対応し、3.1 Pro Previewの既定値はhighです。gemini-3.7-flash を指定したリクエストも3.8 Flashが処理するので、thinking levelは3.8 Flashの仕様に合わせて設定します。

比較時にthinking levelを固定しないと、モデルと推論量を同時に変えることになります。抽出など単純な処理はlowまたはminimalから始め、難しいコードやtool useは必要な範囲で上げます。その際、出力課金とタイムアウトも一緒に監視します。

2.5系から3.x系へ移る場合は、temperature、top_p、top_kの削除(2026年7月21日に非推奨)、thinking_budgetからthinking_levelへの変更、function response規則の確認が必要です。2026年8月時点の最新モデル向けガイドでこれらが案内されており、10月8日のリリースノートは3.8 Flashのガイドを確認するよう求めています。モデルIDだけを交換して終わりにはできません。

2.5系から安全に移行する

公式の廃止予定によると、2.0 FlashとFlash-Liteは2026年6月1日に停止済みです。2.5 Pro、2.5 Flash、2.5 Flash-Liteは、2026年10月10日時点で非推奨ではなく、停止日も「未発表」です。2026年8月の時点では最短2026年10月16日の停止予定が掲載されていましたが、この日付は現在の表にはありません。ただし2026年9月18日から、2.5系は過去に利用していたユーザーだけに提供が制限されており、Googleは新規プロジェクトには3.5 Flash-Liteか3.8 Flashを使うよう案内しています(リリースノート)。

移行では、まずコード、環境変数、キュー、管理画面に残るモデルIDを洗い出します。このとき gemini-3.7-flash と gemini-3.5-flash も書き換え対象に含めます。通常入力、長文、tool failure、structured outputを含む固定評価セットを作り、3.x用のパラメータとthought signaturesを更新します。モデルは設定で切り替えられるようにし、小さなcanaryから開始してフォールバックを残します。

Gemini 2.5から3.xへ移行する際の設定、段階リリース、監視指標、停止予定をまとめた2026年8月25日時点のチェックリスト。モデルIDの例をgemini-3.7-flash、2.5系の最短停止日を2026年10月16日としているが、現在は3.8 Flashへの転送が始まり、2.5系の停止日は未発表

新規開発は3.8 Flashを基準に、繰り返し可能で検証できる処理をFlash-Liteへ分け、Pro Previewは本当に難しい一部の処理に限定するのが現実的です。3.7 Flashや3.5 Flashを指定しているコードは、すでに転送先のモデルで動いているので、IDを3.8 Flashか3.6 Flashへ書き換えて評価し直してください。モデル名の順位ではなく、正式版かどうか、採用結果当たりの費用、失敗時の影響、次の移行先まで含む運用ルールとして決めてください。

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