2026年8月時点のGemini画像生成は、1つの「最新モデル」で全部を処理する構成ではありません。Nano Banana 2 Liteは速度とコスト、Nano Banana 2は汎用的な生成・編集、Nano Banana Proは複雑なプロ制作に軸足を置いています。
一方、以前は比較対象だったImagen 4は、Gemini Developer APIで2026年8月17日に提供終了日を迎えました。旧Nano Bananaも移行期間に入っています。今の選択は「ImagenかNano Bananaか」ではなく、現行3モデルのどこから始め、どの条件で上位経路へ移るかです。

今使える安定版IDを先に確認する
Googleの現行モデル一覧では、次の3つが安定版として掲載されています。記事やサンプルコードに残る愛称だけでなく、呼び出すIDまで確認することが重要です。
| モデル | 安定版API ID | 向いている仕事 | 選ぶ前に知る制約 |
|---|---|---|---|
| Nano Banana 2 Lite | gemini-3.1-flash-lite-image | 1Kラフ、大量の候補、低遅延・低コストの対話操作 | 複数参照画像や連続した複数回編集向けではない |
| Nano Banana 2 | gemini-3.1-flash-image | 通常の画像生成・編集、参照画像、文字、2K/4K納品 | 単純な1K画像だけならLiteより高い |
| Nano Banana Pro | gemini-3-pro-image | ブランド、ローカライズ、複雑なレイアウト、精密な最終制作 | 現行ファミリーで画像出力料金が最も高い |
旧コードの gemini-3.1-flash-image-preview と gemini-3-pro-image-preview は現行IDではありません。Googleの更新履歴では、両Preview endpointは 2026年6月25日に終了済みです。末尾の -preview を残したまま、新しい機能比較だけを読んでも実装は直りません。
アプリで見える名前とAPI IDは同じ表ではない
Geminiアプリでは、利用者がAPI IDを直接選択するわけではありません。現在のGemini Appsヘルプは、モデル設定と画像経路を次のように説明しています。
- Flash-Liteを選ぶと、画像はNano Banana 2 Liteで処理される
- FlashまたはProで通常の画像リクエストを行うと、Nano Banana 2を使う
- 対象のGoogle AI Planに加入し、Proを選んだ利用者は Redo with Pro で再生成できる
ここでのプラン、国、言語、年齢、アカウント、利用上限は変動します。アプリでの「Pro」という表示を、そのまま gemini-3-pro-image のAPI契約や単価と考えることはできません。
Liteが強いのは、候補を捨てながら進む仕事
Nano Banana 2 Liteは2026年6月30日に公開されました。Googleは発表記事で、ファミリー最速・最安のモデルと位置づけ、text-to-imageの目安を約4秒、1K画像を約$0.034と紹介しています。これはGoogleによる公表値であり、地域や混雑、プロンプトが違う全リクエストの保証値ではありません。
向いているのは、サムネイルのラフ、絵コンテ、構図候補、短時間のアイデア展開、大量に作って大半を捨てる一次選考です。出力は1Kに限定されるため、用途が合えば予算も読みやすくなります。
ただし、完成までに何回直すかを無視すると判断を誤ります。Googleの画像生成ガイドは、Liteが複数の参照画像入力や連続した複数ターン編集に最適化されていないと明記しています。同じ人物、商品、空間を保ったまま局所修正を重ねるなら、最初の1枚が安くても、やり直しを含む総コストは下がらないことがあります。
Nano Banana 2は制作工程をつなぐ汎用モデル
gemini-3.1-flash-image は、Liteより高解像度なだけのモデルではありません。0.5K、1K、2K、4Kを扱い、画像生成から会話型編集、複数の参照画像、一貫性、文字を同じ経路で処理します。
商品画像で考えると違いが分かります。複数の実物写真を参照し、背景の一部を変更し、商品の形を保ち、承認後に2Kまたは4Kへ進むなら、必要なのは1回の安い生成より工程の連続性です。多くの新規API実装でNano Banana 2を出発点にしやすいのは、この中間工程まで含めて扱えるからです。
Liteを選ぶ明確な理由は大量・低遅延、Proを選ぶ明確な理由は高い制作精度です。そのどちらも決定的でなければ、Nano Banana 2から始めるのが自然です。
Proは「最終成果物の失敗コスト」で判断する
GoogleはNano Banana Proを、複雑なプロ向けビジュアル、高度なローカライズ、ブランド整合性、精密なクリエイティブ制御に使うモデルと説明しています。構図を生成前に整える思考プロセスを持ち、最大4Kまで出力できます。
Proの追加コストが意味を持つのは、画像内の文字が1字違うだけで使えない、パッケージの色やロゴがブランド規定から外せない、多言語展開でレイアウトまで崩したくない、といった仕事です。社内用のムードボードや最初の20案では、Liteや2で方向を決めてから、少数の採用候補だけをProへ渡すほうが合理的です。
これは公式の設計上の位置づけであり、独立した品質テストの順位ではありません。自社の商品、人物、日本語テキスト、ブランド素材を使い、誤字、同一性の崩れ、形状ミス、編集回数を同じ条件で確認してから本番経路を決めるべきです。
API料金は1回ではなく採用画像までで比べる
GoogleのDeveloper API料金表は、画像出力tokenから1枚相当の価格を示しています。以下は有料standardの画像出力部分で、入力、テキスト/思考、別料金のgroundingは含みません。
| モデル | 1K | 2K | 4K | Batchの目安 |
|---|---|---|---|---|
| Nano Banana 2 Lite | $0.0336 | 非対応 | 非対応 | 1K $0.0168 |
| Nano Banana 2 | $0.067 | $0.101 | $0.151 | 約$0.034 / $0.050 / $0.076 |
| Nano Banana Pro | $0.134 | $0.134 | $0.24 | 現行料金表で契約を確認 |
Nano Banana 2には0.5Kの$0.045、Batchの約$0.022もあります。Batchは完了まで最大24時間かかり得るため、対話的な編集ではなく、準備済みの大量処理向けです。
1Kだけ見れば、Lite、2、Proはほぼ1倍、2倍、4倍です。しかし、採用画像1枚までに必要な生成回数で見ると順位は変わります。参照画像を保つためLiteで何度もやり直す、またはProで人手の多言語修正を1回省けるなら、リスト価格だけでは総費用を説明できません。
料金表では、これらDeveloper API画像モデルのfree tierは利用不可です。これはGeminiアプリの無料画像体験が存在しないという意味ではなく、AI Studioの試用と本番API課金が同じ契約だという意味でもありません。
Imagen 4と旧Nano Bananaは移行対象
Googleの提供終了スケジュールでは、imagen-4.0-generate-001、imagen-4.0-ultra-generate-001、imagen-4.0-fast-generate-001 はすべて 2026年8月17日に終了し、置き換え先は gemini-3.1-flash-image です。8月25日現在、Imagen 4を新規の選択肢として比較表に残すのは正確ではありません。
移行はモデル名の置換だけでは終わりません。GoogleのImagen移行ガイドによれば、Imagenは専用の画像生成メソッドを使い、Nano BananaはGeminiのcontent response内に画像partを返します。リクエスト、レスポンス処理、解像度、再試行、費用計測をまとめて見直す必要があります。
旧Nano Bananaの gemini-2.5-flash-image はlegacyとして残っていますが、最も早い提供終了日は 2026年10月2日です。現在の画像ガイドは、低コスト側の移行先としてNano Banana 2 Liteを推奨しています。既存実装は Nano Banana 2と旧Nano Bananaの違いを確認し、停止を待たずに移行してください。

3段階に分けると予算と品質を両立しやすい
すべてを1モデルで処理する必要はありません。Liteで候補を広げ、Nano Banana 2で参照画像と編集を含む本制作を進め、文字・ブランド・複雑なレイアウトが重要な最終候補だけをProへ回す方法があります。
速度と量が制約ならLite、参照画像・複数回編集・1K超の納品が必要ならNano Banana 2、最終成果物の小さな誤りが高くつくならProを検討します。APIの無料/有料境界を詳しく見るなら Gemini画像APIのfree tierと低価格ルート、アプリの利用回数が問題なら Nano Banana Proの利用上限へ進むと、別の課題を混ぜずに済みます。
Geminiのネイティブ画像モデルが生成する画像にはSynthIDが含まれます。モデルの優劣を決める機能ではありませんが、出所管理と公開前レビューには関係します。最後に比べるべきなのは、最初の1枚の価格ではなく、必要な編集を終えた採用画像のコストと、失敗した最終成果物の損失です。



